Hitomi Magne
2014年03月15日
05:19
セカンドライフのグラフィック設定はなんだか謎のカタカナ語が乱舞しててわけがわからないですよね。
特にこれ。
アンビエントオクルージョンってなんだ??
アンビエント(ambient)とは「環境」とか「周囲」という意味です。オクルージョン(occlusion)は隙間を塞ぐという意味です。
太陽や月、電球という照明があるとき、空間に置かれた物体はその光源に向いた面が明るく表示されますが、それだけではなく、光源からやってきた光が周囲の物体にあたって乱反射した光も物体を照らし出します。こういう光を環境光(アンビエントライト)といいます。3DCGにおいて、環境光はもともと空間全体の明るさを均一に上げる要素として計算されていました。そうするとなぜかうそっぽい画面になるんですよね。つまり直接光が当たっていない部分は全部適当に設定した灰色で塗りつぶしちゃうみたいな感じなんです。つまりこんな感じです。これは影をなしにして、アンビエントオクルージョンをOFFにした画像です。
角度や距離にかかわらず、光があたってない影部分がベタッと塗りつぶされてますよね。
環境光は周囲のあらゆる物体に反射した光が、バラバラな方向から当たって物体を照らすものですが、物体同士が接近してる部分では、お互いが環境光の一部を隠しあって、暗くなるという現象が起きます。これがアンビエントオクルージョンなんです。アンビエント(環境)をオクルージョン(塞ぐ)効果なわけですね。ただし、環境光は一定の方向性を持たないいろんな光の集合なので、近くの物体が覆って隠すといても、太陽からの光がくっきりした影を落とすのと違い、なんとなくぼやけた感じになります。アンビエントオクルージョンをONにするとこの効果がシミュレーションされて以下のようになります。
どうでしょう。なんか真ん中の板が交差するあたりにぼんやりした暗い部分が見えませんか?奥の板壁が交差するところも暗くなってます。
でもいまいちわかりにくいですね。SLで影をなしにすると、つねに太陽光が差してくるので、明るい部分が強くて、灰色の影の中のアンビエントオクルージョンの効果がわかりにくくなってます。この実験環境では四方を壁で覆ってるので、影表示をONにすると全体が似たような明るさの灰色になります。
このまま影を表示した結果が次の画像です。
ちょっとおどろくほどリアルに見えませんか?なんだかしっとりした立体感が感じられます。
なお、アンビエントオクルージョンは、公式ビューアではデバッグ設定を弄らない限りONとOFFを切り替えられるだけですが、FireStormビューアなどでは、細く設定をいじれるので、本気のSL写真を撮る際にはそのへんの設定をいじりまくってみると楽しいです。