Avinationについての懸念

Hitomi Magne

2011年04月06日 16:15


最近知り合いの間でAvination(以下AVN)という新しいメタバースが話題になっています。SIMの初期費用が無料。月額の維持費がUS$60と、SLに比べてぐっとお得になっているサービスです。


こういうSL類似サービスというのは結構色々あるのですが、AVNの特徴はとにかくSLから移行して不自由のない環境を作ろううとしているというのが感じられます。SLのアカウントを持っていればAVNで同じアカウント名にすることが出来、その際SLでのアカウントと関連付けることで、自分のAVNのアカウントに送金することもできるようになっています。また、とりあえず必要になりそうなスキン、衣服、家具、アニメーションその他SLで比較的名の知られたメーカーを誘致し、慣れたお店で買い物ができるようになっています。

最初にこういうサービスがいくつもあると書きましたが、そのベースになるのがOpenSIMというブログラムです。SLはまだ人気があった頃、オープンソースブームに乗っていずれサーバ、ビューアともオープンソースにすると宣言した事がありますが、実際オープンになったのはビューアだけで、サーバソフトウエアに関しては未だにオープンになっていません。そこでビューアのコードからプロトコルを解析し、独自の互換サーバを作り始めたグループがあったのですね。これがOpenSIMです。このサーバはMicrosoft .NETで書かれており、Linux等ではMonoで動作します。これはJava等と同様インタープリタの一種なので、パフォーマンスとしてはおそらくC++で書かれているであろうSLには劣るのではないかと思うのですが、とりあえず実用上問題ない速度で動くようです。ただし、互換性、安定性共にまだSLほどではなく、不意に動かなくなったり、表示がおかしくなることがあります。

とにかく無料で使えるサーバがあり、ビューアはSLのものをそのまま使えるので、SL風のメタバースがいつのまにかいくつも出来ているというわけです。

で、実際にAvinationにアカウントを作成して入ってみた感想ですが。

カジノ多すぎ!それ以外少なすぎ!

これは分かる気がします。SLが2007年頃にそれなりに盛り上がってた頃人気だったのがカジノとエロでした。現在のSLではカジノが禁止されています。Zyngoなどのギャンブルゲームは、残っているものもすっかり牙を抜かれてキャンプ以上の射幸性はないと言っていい状態です。エロも青息吐息ではありますが、一応ダルトカテゴリでやれるので、わざわざ他に行く必要が薄いのですね。結果として昔のSLの象徴だった「エロとギャンブル」のうち「ギャンブル」だけがAVNに大量流出というありさまです。

AVNのZyngoはいまでも悪魔がコンプリート直前に得点の半分盗んでく極悪仕様なんですよwww

で、ギャンブルで豪遊するお客様がエロに来て散財というのが昔のSLだった(らしい)のですが、現在のAVNではエロスポットが数えるほどしかありません。人がいてもほぼスタッフというありさま。

上述のようにSLのエロがSLで満足してるなら、AVNはエロ不足のギャンブル過剰状態ということになります。

さらに深刻なのが普通のユーザー不足です。カジノだらけのAVNですが、そこで遊んでるお客さんをほとんど見かけません。SLより安いからとSIMをバカ買いして高価なギャンブルマシンをまとめ買いしたSIMオーナーさんたちは涙目でしょう。

よくみると衣装やスキンなどの物販系のお店はAVNでも比較的小規模な土地レンタルもしくはモールの利用という出店形態が多いようです。これらは多くのユーザーに必要とされていることもあり、堅実にいけば販路の拡張に結びつくという合理的な判断でしょう。また、ギャンブルマシンのメーカーはSLで商売にならなくなってるので、当然AVNに来るでしょう。あの状況を見るとかなり儲けてると思います。カジノ経営者にとっては結構厳しいんじゃないでしょうか。

また、もしSLで商売厳しいから、SIMの安いAVNに移転、なんてSIMオーナーが多発してしまうと、SLのユーザーを減らした上にAVNでも商売できなくて閉鎖、双方共倒れになるのが怖いですね。AVNその他互換グリッド商売にリンデンが脅威を感じでSIM維持費をUS$100とかに値下げ。みんなSLでハッピーとなるといいんじゃないかと思いますwww。

なお。現状のAVNにはまともなヌードビーチが一個もないのが最大の不満です。(ゲイ男性用のはあるんだけど)
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